お七夜

お七夜(命名式)~誕生から7日後~

「お七夜」はたくさんある赤ちゃん行事の中で、初めてのお祝いです。赤ちゃんの生後7日目に行い、その子の健やかな成長を祈願します。お七夜では親戚などを招き赤ちゃんの名前をお披露目する「命名式」も一緒に行うのが一般的です。お七夜の食事はお赤飯や鯛の尾頭付きなど、お祝い行事で食べる「祝い膳」を用意します。 赤ちゃんとその子につけた名前を家族や地域の人々、その土地の産神(うぶがみ)にお披露目・報告する日とされています。命名書と呼ばれる紙に赤ちゃんの名前を書き、神棚や床の間に飾ることもあります。

 

その起源や由来には諸説ありますが、現代のように医療が発達しておらず、衛生面や栄養摂取の面でも厳しかった時代。赤ちゃんの生存率そのものが低く、特に誕生直後の1週間を無事に過ごせることはとてもおめでたいこととされていました。そのため、生後7日目の夜に行われるようになったといわれています。

 

なお、お七夜は「枕引き」「枕下げ」ともいい、昔は母親の床上げの日とされていました。しかし、実際問題、生後7日目ではまだ母親の体力、体調が十分に回復していない時期であるとの判断から、近年ではその床上げの風習自体はすたれているのが現状です。

 

実施の日取りですが、赤ちゃんのお七夜・命名式は、生まれた日を「1日目」としてカウント。7日目の夜に行います。ただし病院で出産した場合、だいたい5~7日間は入院していることがほとんど。母親や赤ちゃんの体調によっても退院時期が変わってきます。お七夜・命名式はちょうど退院時期とかぶることが多いので、決して無理はせず、親戚や近隣に命名のお知らせのみ行い、後日、お祝いをすることも有力な選択肢です。

 

赤ちゃんのお七夜・命名式では、命名式を行ったあと、祝い膳を囲むのが正式な祝い方です。昔は一族の長が名づけ親となり、家族や親戚を家に招いて盛大にお祝いをしました。 父母がお互いの両親を招いて、赤ちゃんとその子の名前をお披露目してから、記念に手形や足型を取ったり、記念撮影、食事会などを開くことがあります。

 

基本的な考えとして、お七夜は母子の健康を祝う行事。楽しい家族の時間を過ごすはじめの一歩に過ぎません。無理せず、まずは母親と赤ちゃんの体調を優先して行うことが大切です。

 

 

参考文献

「赤ちゃん・子供のお祝いごと―出産から小学校入学までの行事」(成美堂出版編)

「どうする?子供のお祝い―命名・お宮参り・端午の節句・ひな祭り」(わか草研究会著)

「時代考証家のきもの指南」(山田順子著)

お産の歴史 ―縄文時代から現代まで (杉立義一著、集英社新書)

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